自分中心はNG
「自分主体の会話」は問題だと前述しました。問題なのは、そのことを自覚していない人です。どこが問題なのかがわからないのですから、これでは雑談力などつくはずがありません。
「実はこんなことがあって、こうしたんだ」というような話しかけがあったとします。まずい例は、あなたが「そうか。でも私ならこうしただろう」と言うような返答です。こう返答されてしまうと会話は続きにくくなります。
「A君の昨日の態度に怒った」と相手が言ったとして、こちらが「そう?私ならあまり怒らないと思う」などと返答したら、これでは相手の意見の否定になります。相手は昨日の出来事をただ自然に話しているだけです。こうした話は特別に意見や考えを求めているわけではありません。それをいちいち勝手に意見を述べるのでは、会話は続きません。逆に口論というカタチで続いてしまうでしょう。
こうした話し方をする人には自己顕示欲が強い傾向があると自覚してください。該当する人でもなかなか気がつきにくいのが難点です。「私ならこうした」、「私ならそれはしない」などと言うのは、「私が正しくて、あなたは間違い」と言っているのと同じだということです。これで気を害さない人はいないのです。
言葉を返す時に「私なら~」、「でもね~」などという一人称は絶対NGだと肝に銘じておきましょう。まずは軽い肯定の立場で返答するのが基本です。相手の気持ちを汲むことが大切です。また、「私の方がもっと~」というような、相手の経験談を上乗せするような返答もNGです。これをする人が結構多いのです。コレも気をつけましょう。
これだけで会話のリズムがかなり改善されます。無駄話をするにしても、楽しく過ごせなければコミュニケーションツールとしての役には立ちませんよね。ビジネスシーンでも、ちょっとした雑談のテクニックが、職場での関係を円滑にしてくれるはずです。